車椅子女子のリアル!自立と成長の物語

こんにちは 小後舞真です。
突然ですが、生まれつきの障害で車椅子ユーザーは普段、どんな生活を送っているかご存じですか?
人によっては、家族がつきっきりで介護をしていることもよくあります。
しかし本人は、自立したいと思っている事はあるあるです。
そこで今回は、車椅子ユーザーの自立と成長を、描いた映画37セカンズの魅力を語ります。
※あくまで個人の感想です。
37セカンズの概要とあらすじ

早速、37セカンズの魅力について、語りたいところです。
しかし映画、37セカンズについて詳しく知らないという人もいるでしょう。
そこでまずは、37セカンズの概要とあらすじについて解説します。
37セカンズの概要
タイトル:37セカンズ(サーティーセブン)
日本公開日:2020年2月7日
上映時間:115分
興行収入:不明
この映画は日本の映画ですが、初回後悔は2019年のベルリン国際映画祭でした。
その結果、その年に第69回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門観客賞をはじめ海外で様々な賞を受賞しました。
ただし日本での知名度はまだ少なく、この映画が見られるのはネットフリックスかDVD・Blu-rayのみとなっています。
現在ネットフリックスの影響で、少しずつ日本人にも知られるようになりました。

この映画は車椅子ユーザー当事者の体験を元に描いたフィクションです

ぜひもっと日本で広まってほしい映画だなぁ
37セカンズのあらすじ

主人公の高田ユマは、生まれるとき37秒呼吸できなかった事で、脳性まひになってしまった女性。
普段は電動車椅子を利用し、母と二人で暮らしています。
23歳のユマは、小学校から友人である漫画家のさやかのアシスタントとして働いています。
さやかは人気作家で、YouTuberとしても顔出し配信をして生計を立てていました。
しかし実際は、漫画の話も絵もユマが作っており、いわゆるゴーストライターでした。
ある日、編集者に自分の漫画を見てもらうとさやかの画風に似てると一括されてしまいます。
思い切って成人向けのアダルト漫画を描いてみても、リアリティが足りないと言われました。
それは車椅子ユーザーであり、職場以外母が常に寄り添ってきたユマには無理もないこと。
そこでユマは、母親から自立することを試みますがなかなかうまくいきません。
そんなある日偶然出会った、障害者向けの風俗嬢の舞、その利用者で車椅子ユーザーのクマさん。
そして、介護士の俊哉と出会ったことでユマの世界が広まっていく物語です。
また、ユマの出生の秘密や父親の思い出なども含みユマがどうやって自立していくのか?
一人の女性の、成長ストーリーをお楽しみください。
映画・37セカンズの魅力4選

映画37セカンズの概要とあらすじについては、以上です。
そこを踏まえた上で、下記の37セカンズの魅力4選をご覧ください。
※一部ネタバレあり
魅力①リアル車椅子ユーザーの主演

37セカンズの主演女優は、佳山明(かやまめい)さん。
実は、彼女自身も脳性麻痺を患っている当事者です。
そのため、リアル車椅子ユーザーが主演を務めた初の映画だといえるでしょう。
監督のHIKARIさんは、健常者が障害者を演じるよりも当事者を主役にした方がリアリティがあると思ったそうです。
なので、全国各地に出向いてオーディションを行ったそうです。
実際に見てみると、確かに脳性麻痺特有の体の動きや声の出にくさが自然で当事者ならではの雰囲気が出ていました。
その結果、車椅子ユーザーやそこに関わる人がみて感情移入しやすい作品になっていると思いました。

本当の障害者を起用したことで嘘くささや変に
同情を誘う描写になっていないところがよかったです

健常者が障害者を演じると
馬鹿にしてるの?って思われることもあるもんね…
魅力②障害者の働き方のイメージアップ

この映画は、障害者の働き方のイメージアップにもつながると思いました。
現在日本では、企業へ障害者雇用を実施したり、作業所勤務への推奨を行っています。
決してそれらが、悪いとは思いません。
しかしそれだけでは食べていけなかったり、そういった仕事も難しい障害者もいます。
そういった人たちへ、クリエイターとして働く選択肢やヒントになっているなと思いました。
実際個人的にも、身体障害だけであれば雇われるよりも、フリーランスや経営者になったほうが働きやすいと感じています。
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魅力③社会の壁や家族の葛藤

37セカンズでは、社会の壁や家族の葛藤もかなり忠実に描いています。
多くの障害者をテーマにした作品は、困難があっても家族仲が良かったり友人に恵まれている描写が多いです。
しかし現実の社会は、そうもいきません。
障害者を利用し搾取するもの
障害者に依存し自立を妨げる家族
社会の偏見や冷たい目 etc.
おそらくこういった描写は、当事者に取材し作られたのではと思いました。
また、タブーと思われがちな障害者の性事情についても描かれているのも見どころです。
しかしこの映画では、こういった生々しい部分も見る人が不快にならない工夫をされているのも見どころです。

見ていてつらくなる部分もあるものの
多くの視聴者の注目を集める部分だと思います

当事者は共感する人が多いんじゃないかな?
魅力④障害者の恋愛模様

直接的な表現はあまりありませんが、障害者の恋愛模様も魅力の一つです。
母の元を離れて、少しずつ大人になっていくユマ。
その時、自分をサポートしてくれた俊哉への感情の変化の描写が素晴らしいと思いました。
また恋愛ではありませんが、舞を慕って重度障害でも人生を謳歌するクマさんのキャラも魅力的です。
出番は少ないですが、ユマの人生観に影響を与えたのは間違いなく彼でしょう。
37セカンズの気になる点

おすすめ映画・37セカンズの魅力については、以上です。
ただ面白い作品でしたが、いくつか気になる点もありました。
そこでここからは、映画・37セカンズの気になる点について話します。
※こちらも一部ネタバレあり
介助器具の使用や車椅子を降りて動く描写が少ない

普段車椅子で生活していると、介護器具が必要だったりします。
また人によっては、家の中では車椅子を降り這って移動する人もいます。
そういった、介助器具の利用や車椅子なしでの移動が少ないことが気になりました。
特に母と口論になり、ユマが自立してることを証明するため自分で浴槽に入るシーン。
そこで、どうやって入ったのかが映画では描かれてないのが気になりました。

ちなみに車椅子ユーザーが、自力で浴槽に入るには手すりや入浴ボードや椅子が必要です。
映画には、そういった器具が一切見当たらなかったのが気になりました。

もしかすると撮影が難しかったのか
尺の都合でカットしたのかもしれません

当事者以外気にする人はいないかも…
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主人公が漫画を描いている描写が少ない

主人公のユマは、漫画家を目指しています。
しかしアシスタントに行く場面以外で、漫画を描いてるシーンは少ないなと思いました。
それよりも、父や双子の姉を探す場面のほうが多かった気がします。
ただ実際に漫画を描いている私は、もう少し絵をかいてるシーンも欲しかったですね。
実際漫画は、普通の人が描いても決して簡単ではありません。
それを車椅子で体にまひがあっても、仕事をこなす姿も見たかったなと思います。
37セカンズの漫画版もおすすめ

じつは37セカンズは、映画だけでなく漫画版もあります。
3巻で完結しており、先ほど言った映画では描かれなかったシーンも描かれています。
特に、ユマを助けてくれた舞や介護士の俊哉の過去も丁寧に描かれています。
これによって、映画で物足りなさを感じた部分や矛盾を解消してもらえた気がしました。

映画は映画でしかできない表現を
漫画版では漫画でしか見られない部分が満載です

映画と漫画どっちも見ることで
この作品の良さがよくわかりそう!
車椅子ユーザーのリアルと夢を描いた映画

今回は、おすすめ映画・37セカンズの魅力について語りました。
昨今は、障害を持った人の作品を作るといろんな意見で分かれると思います。
しかしこの作品は、いい意味で障害者の真実やタブーを描いている作品だなと思いました。
これを機会に37セカンズに興味がある方は、ぜひご覧ください。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
★shogo★
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